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DNA鑑定講座2015.01.10

DNA鑑定しても意味がない?

DNA鑑定講座2015.01.10

昨年、たとえDNA鑑定で血縁関係がなかったとしても、婚姻生活が継続している中で出生した子は、法律上の父親の子と推定されるという趣旨の最高裁判決がありました。

法律上、婚姻生活の中で出生した子は、夫の子と推定されることを法律は定めています。また、離婚後300日以内に出生した子は、離婚した夫の子として推定されることになっています。ただし、出生を知って1年以内に限り、法律上の父親は「嫡出否認」という調停(訴訟)の申し立てを家庭裁判所に行って、法的な親子関係を覆すことができます。

では、それ以外では、法的な親子関係を否定することができないのかというと、実際には、DNA鑑定をして親子関係がないということがはっきりとすれば、親子関係が不存在ということが家庭裁判所の審判により認められる取り扱いになっています。

さきほどの最高裁の事件では、血縁関係のない父親が、養育の実態により子供への愛情を主張したという極めて特殊な事情があったために、裁判所は親子関係の不存在を認めませんでした。

この最高裁判決があったために、子供が1歳を超えているから、自分の子供でなくても自分の子として扶養し、またその子が相続人になることに耐えなければならないという誤解をされている方がいます。

家庭裁判所では、当事者の主張をよく聞き、何が子のためになるかを判断します。血縁関係が明らかになく、当事者も理解しているのに、血縁関係のない夫(元夫)に法律上の父親であることを強要することはありません。

判決の詳細は、

DNA鑑定に関する裁判例1(民事)

DNA鑑定に関する裁判例2(民事)

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